アイコン サムスン電子 異例の下方予想発表 トリプル悪化 スマホ+半導体+ディスプレー

 

 

サムスン電子は26日、第一四半期(1~3月)の決算短信発表を10日後に控え、異例の発表を行った。
決算短信の発表予定日は4月5日。同社が事前にこうした発表を行った例はない。

サムスン電子の第1四半期の当初予想に比べ、ディスプレー、メモリー事業の環境が思わしくなく、実績は市場の期待水準を下回ると予想されている。

一部事業の不振で業績が、市場予測を大きく下回るとみられ、投資家への心理的影響和らげるために事前資料を出した」というのが同社の説明。小口株主が増える中、予防的措置の発表となった。
 これまで証券業界はサムスン電子について、半導体市況の低迷による業績不振を予想してきた。
韓国の証券各社が予想した同社の第一四半期の営業利益は平均で7兆1000億ウォン(約6900億円)だった。
前年同期(15兆6400億ウォン)の半分にも満たない。
こうした中、サムスンは具体的数値を示さなかったとはいえ、業績が予想をさらに下回ることを示唆した。

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■メモリーもディスプレーも不振
<ディスプレー>

サムスン電子は、ディスプレーとメモリー半導体の不振を理由に挙げた。元々不振が予想されていたメモリー半導体よりもディスプレーの不振が強調された。9行から成る発表文のうち6行がディスプレーに触れた部分だった。
 ディスプレーは、中国メーカーの低価格攻勢に押された。ディスプレーの売り上げの75%を占めるスマートフォン用中型・小型有機発光ダイオード(OLED)パネル事業の不振が響いた。
世界のスマートフォン市場の伸びが鈍化した上、主要顧客であるアップルのiPhoneの販売台数まで減少した。
一方で、天馬微電子、京東方科技集団(BOEグループ)など中国メーカーが生産量を大幅に増やし、サムスン製品の価格や販売量が減少した。
業界はサムスンが第一四半期にディスプレー事業で、3年ぶりに赤字を計上するとみている。
赤字幅は5000億~7000億ウォンと予想されている。
ディスプレー部門は昨年10~12月期に9700億ウォンの黒字を記録するなど、安定して1兆ウォン前後の営業利益を上げてきた。
財界関係者は「ディスプレー分野でかなりの赤字が出ると予想されるが、一部証券会社が黒字を予想したため、サムスン電子がそれを修正したのではないか」と指摘した。
<半導体>
サムスン電子は、メモリー半導体事業についても、「非需要期を迎え、全般的に需要が減少し、DRAM、NAND型フラッシュメモリーのような主な製品の価格下落幅が当初予想を上回った」と説明した。半導体業界を支えるIT企業が投資を減らし、模様眺めの姿勢に転じている。価格が下落する局面であえて半導体を調達し、備蓄する必要もない。実際にDRAM(DDR4 8ギガビット)の単価は昨年9月の8.19ドルから今年2月の半年間で5.13ドルへと▲37%も下落している。

証券業界は、第一四半期のメモリー半導体部門の営業利益を4兆ウォン前後とみている。昨年の四半期平均(11兆ウォン)の半分以下、一部では前年同期比▲70%下落するという見方もなされている。

■4~6月期も不振か
 電子業界と証券業界は、サムスン電子の業績不振が少なくとも今年上半期いっぱい続くとみている。メモリーの価格下落が需要増につながるサイクルが働いておらず、サムスン電子の業績不振は一時的ではなく続く可能性が高いとも指摘されている。
一部には、今年下半期の業績が上半期ほど悪くないとする見方もある。
インテルが新しいCPU(中央処理装置)を発売し、データセンターの投資が回復するほか、パソコン需要も改善するとと見通されている。
スマートフォン業界も前作に比べ販売量が増えている「ギャラクシーS10」効果で7~9月期には営業利益が10兆ウォン台を回復するとみている。
以上、韓国紙参照

地産地消を掲げる中国政府、中国スマホ勢は、国内不振により世界市場の攻略を、価格と性能を武器に加速させている。
それはサムスン電子の占有市場を攻略することでもあり、中国勢が国内メーカー製のOELDを使用し、サムスン製OELDを使用している高価格帯のアップルも含めスマホが売れず、スマホ+半導体+OELDが売れないというトリプル悪化が懸念される。

世界経済、特に3大経済の中国経済の低迷と欧州経済の陰りに、これまで世界で普及増を伴いながら増加してきたスマホ市場も、昨年はマイナスに転落している。また低価格帯と高価格帯と両極端になり、経済低迷下では、買い替え需要の減少、低価格帯機の性能向上により、高価格帯市場を蝕んでいる。
特にサムスン電子は、その業績をメモリーとスマホ、ディスプレイで牽引しており、スマホが売れなければ、総崩れになる。
そうしたことを予期してか販売単価を上げるべく折り畳み式スマホ=フォルダブルフォンを投入したが、あまりに価格が高く、売れておらず、逆効果になる可能性もある。

ただ、米SOX半導体指数は、昨年12月の1060ポイントを底に、昨年9月のピーク価格時の1420ポイント(昨年7月)を超え、1440ポイントまで上昇、本日でも1390ポイントの高位置にある。EV生産が世界中で急拡大しており、カスタム半導体・パワー半導体の需要増や車載用コンデンサーが大幅に伸びていることによるものと見られる。当然、EV投入拡大は、完全自動運転車開発に拍車がかかり、半導体の搭載量も格段に増加する。
だが、自動車販売も鈍化すれば、高価格のEVの普及には時間がかかり、完全自動運転車に向けた開発も遅延するものと見られている。

 
[ 2019年3月27日 ]

 

 

 

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