アイコン サムスン電子の2019年1-3月期の業績 最悪の結果に

 

 

サムスン電子の2019年1-3月期の業績は、16年7-9月期以降で最悪だった。メモリー半導体の市況悪化にスマートフォン事業の不振が重なったことが響いた。
  サムスン電子が30日発表した1-3月期決算は、営業利益が前年同期比60%減の6兆2300億ウォン(約6000億円)、売上高が13.4%減の52兆 3900億ウォンだった。16年7-9月期はサムスン電子がギャラクシーノート7の発火事故で史上初のリコール(自主回収)を実施し、業績が悪化した時期 だった。今年1-3月期はそうした事故がなかったにもかかわらず、業績が急激に悪化しており、以前よりも衝撃的だとの声も出ている。
 業績悪化の最大要因は営業利益の70%以上を占める半導体だ。サムスン電子は半導体事業で売上高14兆4700億ウォン、営業利益4兆1200億ウォンを上げたが、営業利益は前年同期を64.3%下回った。
同社は原因として、DRAMとNAND型フラッシュメモリーなど主力のメモリー半導体の価格が急落した点と取引先からの注文急減を挙げた。DRAMとNAND型フラッシュメモリーの価格は1-3月期にそれぞれ37.1%、12.0%下落した。
メモリー半導体の在庫を抱えた取引先は新規発注を見送り、在庫消化に努めた。また、米アマゾンに供給したDRAMの品質不良問題で3000億ウォンの損失が発生した。

スポンサード リンク

ギャラクシーS10シリーズの発売で期待を集めたスマートフォン部門の業績も予想を下回った。
1-3月期のスマートフォン事業の売上高と営業利益がいずれも前年同期に比べ減少した。ギャラクシーS10はギャラクシーS9に比べ販売量が増えたが、中・低価格のギャラクシーA、ギャラクシーMは中国の華為(ファーウェイ)、OPPO、VIVOなどに押されたと分析されている。
 ディスプレー事業でも▲5600億ウォンの営業損失が出た。16年1-3月期以降3年ぶりの赤字だ。主な取引先であるアップルのiPhone X(テン)Sシリーズの販売が不振で、スマートフォン用の有機発光ダイオード(OLED)パネルの出荷量が減少したことから業績が悪化した。
 善戦したのはテレビ、洗濯機、冷蔵庫など生活家電事業。QLED(量子ドット発光ダイオード)、8Kテレビなどの高級製品の販売が伸び、衣類管理器、乾燥機など新家電部門も成長した。生活家電事業の営業利益は前年同期比92.8%増の5400億ウォンだった。


 韓国投資証券のユ・ジョンウ専門研究委員は「4-6月期にもメモリー半導体市場の低迷が続き、業績悪化を避けられないのではないか。非メモリー分野に対する投資拡大は長期的側面で成長エンジンになるだろうが、当面は業績に影響を与えない」と指摘した。

0503b.jpg
0503c.jpg


1~3月期にDRAMとNANDの平均価格(ASP)は前期(10~12月)比それぞれ▲27%、▲23%下落している。

↓スポット価格

0503d.jpg

 
[ 2019年5月 2日 ]

 

 

 

関連記事

 

 

  • この記事を見た人は以下も見ています
  •  
  • 同じカテゴリーの記事です。
  •   
スポンサード リンク
 


PICK UP


PICK UP - 倒産