アイコン 今頃気付いたドイツ、中国勢の勢いに寝首かかれる

 

 

ユーロ安に依存した輸出企業の黄金期が過ぎ去りつつある欧州最大の経済大国ドイツでは、中国における自国の権益を確保すべく急いで対策を講じている。
だが、顧客からライバルへと「転身」した中国によって、自国における変革を余儀なくされているとロイターが次のように報じている。

近年のドイツ経済の成長にとって、中国はなくてはならない存在だった。ドイツ車や、インフラを構築するための工業製品を大量に購入した中国は、世界2位の経済大国へと成長した。
しかし、強いドイツマルクにとって代わったユーロ安の強力な後押しに支えられたドイツの輸出ブームは、いまや風前の灯火となっている。
中国はバリューチェーンの上位に上がっており、トランプ大統領が掲げる「米国第一主義」の通商政策の影響を受ける多くのドイツ企業よりも素早く、革新的な施策を導入している。

ドイツでは、昨年、輸入が輸出を上回る伸び率となっており、貿易が同国経済の足を引っ張っている。

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ドイツ連邦統計庁が15日発表した2018年の国内総生産(GDP)速報値は前年比1.5%増で、5年ぶりの低い伸びとなった。

対中輸出は18年1~11月に前年同期比で10%近く増加しているものの、「メイド・イン・ジャーマニー」製品に対する中国の需要は減退しつつある。
「中国におけるドイツ企業の事業展望は陰り始めている」とドイツ商工会議所のボルカー・トレイアー氏は話す。同氏によると、昨年11月の対中輸出はわずか1.4%増にとどまったという。 当然、米中貿易戦争による中国経済の低迷、慎重になっている設備投資にも起因していようが・・・。
米国の関税問題による不確実性が、ドイツの対中貿易をも減退させている。

ドイツ産業界がより強固な対中政策を求める中、特に銀行や保険会社などの自国企業がこれまで以上に中国市場にアクセスできるよう、ショルツ独財務相は今週17~18日に北京を訪れる。

ドイツの政策立案者や経営者は、中国当局が主導する経済モデルによって不利な立場に立たされていると、口をそろえる。

製造業振興策「メイド・イン・チャイナ2025」を掲げる中国は、電気自動車(EV)のようなテクノロジーの自国開発に注力している。同時に、中国は、ドイツの産業用ロボット大手クーカなど海外企業の買収により、ノウハウを取得している。

中国の台頭により、世界3位から4位の経済国へと後退したドイツは、中国との「緊密かつ有益な貿易関係」を強調する。
「同時に、われわれは国益に関わるドイツや欧州の企業に対して、これまで以上に外国の国有企業による戦略的買収から保護し、強化していく」と、独経済省の報道官は語っている。

異例なことに、有力な経済団体であるドイツ産業連盟(BDI)は、先週、欧州連合(EU)に対中政策の厳格化を求めるとともに、企業に対しては中国依存の是正を促した。

<協議は難航か>
メルケル独首相は、関税で脅すトランプ大統領流のやり方ではなく、対話を通して問題を解決することを好む。
こうした姿勢から、ショルツ財務相は劉鶴副首相に対して、外国企業に中国市場をさらに開放するよう説得を試みるだろう。
ドイツの保険大手アリアンツ・グループは、昨年11月、中国で初めて承認された外国の保険持ち株会社となった。
ショルツ財務相は、今回の会談で、中国市場をさらに開放し、公正な貿易環境を整え、米国との緊張を緩和することは、中国自身の利益となると訴えると予想されているが、問題は、中国がこうした見方を共有するかどうか疑問視されている。

国内企業への国家的支援と外国企業に対する制限という中国政府の「合わせ技」は、中国メーカーによる国内EV市場支配により、中国自動車メーカーの利益を最大化させ、大規模輸出の足がかりを築いた。
(広州汽車は今年から米進出予定だったが、米中貿易戦争により来年に引き伸ばした。それほど、中国の自動車メーカーは力を蓄えてきている。当然、これまで合弁で欧米日メーカーなどから大量の技術情報を入手してきたことを基盤としている)

<課題は独自動車大手VWの計画に見て取れる>
同社は向こう数年間でEVに巨額投資を行う。これは、世界の自動車メーカーによる約3000億ドル(約32.5兆円)規模に上る投資増強の一部だが、その半分近くは中国向け。
中国の大手メーカー2社と合弁事業を長年行ってきたVWのハーバート・ディエス最高経営責任者(CEO)は、「フォルクスワーゲンの未来は、(400万台以上売り上げる)中国市場で決まる」と述べている。

ショルツ財務相は、北京滞在中、ドイツが中国や人民元建ての金融商品の欧州拠点となるよう求めるだろう。
銀行が一部の業務をロンドンからフランクフルトに移管する中で、ドイツは英国の欧州連合(EU)離脱からの恩恵を期待している。

<ドイツの課題>
一方、ドイツ国内では、「ライバル」としての中国の台頭を受け、自国の知識経済を保護し、先細る輸出を補うために必要な国内需要を刺激するなどの対策を講じている。
内需主導の成長に向けた転換は、ドイツにとって大きな変化。第2次世界大戦後に起きた「経済の奇跡」は主に輸出によって成し遂げられてきた。
ドイツ政府は、12月、欧州域外からの投資家による自国企業への出資を審査し、場合によっては阻止する規制強化を決定した。

戦略的分野において、中国人投資家による好ましくない買収を回避する狙いがあるとみられる。
ドイツはまた、輸出で得られた余剰金の一部を国内刺激策や経済のリバランスに充てたいと考えている。
子ども手当は、今年増額される予定であり、メルケル首相率いるキリスト教民主同盟(CDU)の議員たちは新たな減税を検討している。
メルケル氏から昨年、CDU党首を引き継いだクランプカレンバウアー氏とアルトマイヤー経済相は、景気低迷を阻止する刺激策として、減税を行うべきだと主張している。

「政府が現在、実行もしくは検討している財政措置は、確実に経済を今年後押しするだろう」と、バイエルン州立銀行のステファン・キパー氏は述べている。
「国内需要がさらなる輸入増をもたらすなど、一部でリバランスが進行しつつある。ただし、これまで政府が決定した財政措置では、ユーロ圏経済全体を大きく後押しするには不十分だろう」

VPバンクのトーマス・ギツェル氏も同じ意見。「今こそ政府が大規模なインフラ支出を行う時だ」と同氏は述べた。
以上、ロイター参照

中国は、米国、ドイツ、日本などに関係なく、進出企業に対して、技術情報開示を求め、これまで成長させてきた。当然、ライバルになる可能性は、刹那的な利益を求め続ける資本主義国の企業を潤したが、力をつけた中国勢に今や飲み込れそうになっている。

その長たるものが、軍需産業だろう。リーマンショック後、業績悪化の欧米国が挙って中国企業に最先端企業を買収してもらった。
計画経済の中国は国家政策でそれを支援、多くの最先端技術を企業買収で手に入れてきた。オバマ政権時代末期になり、613987部隊のウイルスや中国製電子機器に仕込まれたバックドア問題などから、やっとその脅威に気付き、米国ではその対策をすでに採られている。
しかし、習とメルケルのチンクソな関係から、ドイツでは中国企業の買収を大歓迎し続けた。やっと気付き政府が対応したのは2017年夏以降だ。それでもドイツ財界は中国の買収投資を抑制すべきではないと盲目的だった。
技術はある一定まで取得したら、それからは独自に開発することができる。そのためにも中国は千人計画を別途推進していた。これまでに延8千人以上、世界中の最先端技術者を金で呼び寄せている。
そのため、全業種で、技術の進化を急展開させている。まだ、進化し続ける欧米の最先端技術に対しては、その比ではないものが大半だが、国家政策というバックヤードを考慮した場合、時間の問題となる。

「中国製造2025」政策では、業績に関係なく、技術を持つ企業に対して、膨大な資金を銀行に融資させ、途方もない巨大工場を作らせている(各種半導体および有機ELディスプレイ工場など)。
マイクロンとトランプ大統領を怒らせた福建省の晋華集成電路(JHICC)は、地方政府が出資した半導体会社、巨大工場を開設中であったが過去の実績0、台湾の聯華電子(UMC/ファブレスメーカー世界第3位)がバックに付いていた。UMCが地方政府ら出資させ、ファブレスメーカーとしてマイクロン製品を造ってきた技術を同工場に導入する計画であった。しかし、マイクロンが生産技術情報流出で激怒、アメリカで両社を相手取り実質操業停止の訴訟を起こした。
それに対して、台湾UMCは、中国でマイクロンに対して特許侵害を申し立て、中国の裁判所は、足早にマイクロン製品の中国販売の差し止めを命じた。
激怒したトランプ政権は、中国JHICCと台湾UMCに対する米国企業の製品およびサービスの提供を全面禁止の制裁を行った。当工場は半導体製造装置などがラインにすべて納入されていたものの、米製半導体製造装置などのメンテを行う米国人たちがトランプ発令と同時に引き上げ、当工場は生産ライン構築がストップ、閉鎖状態に追い込まれている。

こうした例を見るまでもなく、最先端技術をあの手この手で取得にかかっている。当然、取得した技術情報は、国家政策で同業種企業へ回付され、中国企業の進化を最大化させている。

ブーメラン現象と言えばそれまでだが、それでも生き残る企業体質を作り上げたのは日本の企業群だろうか。そのほとんどが日本政府のアホさ加減で、日本政府により、日本の技術を韓国との政府間の商売道具に利用させ続けた。
さらに、小泉・竹中平蔵によるハゲタカ導入により、技術の日本の開発部隊さえも聖域なき削減など喜んで導入させ、日本の技術を大衰退させ、それ以前の技術大国を完全になくさせた。
救いようは、当時のオーナー企業たちだけが、生き残るべく研究開発を地道に続け、今日でも世界に誇れる技術で活躍している。(サラリーマン経営者たちになっていた超大手の製造会社は右へ倣いほとんどダメになった。)

企業は大きなマーケットのモノを生産し、世界シェア首位に立てば優位に立てようが、それを未来永劫に続けることはできない。GEの(伝説の経営者)ジャック・ウエルチが提唱した「製品で№1・№2までしか必要ない」として取捨選択を強行に推進、世界市場占有率№3以下の製造工場を売却、No1・2位の事業に集中投資した。しかし、その成果は長くは続かず、次の社長の代では取捨選択さえ誤り行き詰った。

巨大企業は、図体が大きいだけに、業績の柱を創造し続けない限り、衰退へ至るのは逆に早い。GMや東芝がその例の一つかも知れない。自動車メーカーは常にその中にあろうが。

<米中貿易戦争は終わらない>
中国が、アメリカに対して、知的財産権問題で大幅に譲歩したと好感を持ってNYダウを押し上げさせた。中国は外資進出企業に対して、技術情報の提出を中央政府も地方政府も今後求めない。これを遵守するため法制化すると述べた。
しかし、実際の中身は、中国企業に対してM&Aや企業投資で開放している国に限定したものだった。
これでは、すでに、最先端技術会社の中国企業の買収を拒否している米国が、飲めるものではない。ほかに欧州の多くの国もすでに米国に準じている。

一事が万事、米国の交渉は、北朝鮮や韓国とのやり取りと似たものになっている。埒が明かない。
 

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[ 2019年1月19日 ]

 

 

 

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