アイコン 中国介入のエルサルバドル 左派政権から中道右派政権に 大統領選挙

 

 

中米のエルサルバドルで3日に行われた大統領選挙で、4日までの開票の結果、議会第3党の中道右派「国民統合のための大連合(GANA)」のナジブ・ブケレ前サンサルバドル市長(37)が他の3候補に大差をつけて初当選を決めた。
開票率99.9%で得票率53.0%だった。就任は6月1日で任期は5年。

左派「ファラブンド・マルティ民族解放戦線(FMLN)」、中道右派「民族主義共和同盟(ARENA)」の2大政党以外に政権が渡るのは30年ぶりとなる。
ブケレ氏は勝利演説で「あすからわれわれが望むエルサルバドルの建設に全員で取り掛かろう」と国民に呼び掛けた。

エルサルバドルは中華民国(台湾)を承認していたが、2018年8月21日に中華人民共和国が国交樹立の条件とする台湾との断交をエルサルバドルが受け入れた。

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これは、ファラブンド・マルティ民族解放戦線(FMLN)のマウリシオ・フネス大統領が、台湾に投資依頼した大規模港湾拡充計画に対し、台湾がその必要性がないとして、縮小しない限り、開発投資は出来ないと投資要請を断った。ところが、中国がその大規模港湾投資を引き受けるとして、エルサルバドルは台湾を切り、中国に近づいた。
これまで、左派政権であり、中国と裏で画策していたものと見られる。

このままでは、スリランカ方式で大規模開発投資と引き換えに、中国が完成後の港湾を借り上げ、エルサルバドルの負担を減らす手法をとるものと見られている。下手すれば、ジブチのように軍港として借り入れることもありうる。
エルサルバトルは知勇米で唯一カリブ海に面せず、太平洋に面し、軍事政権が長い間続き、FMLNが長期にわたりゲリラ戦を展開、軍事政権が文民政権に移行することで和解、その後は中道右派ARENAと左派のFMLNが政権を担ってきた。

当然、米国としては、目と鼻の先に中国軍の基地が出来ることを容認するはずもなく、今回の選挙では、国民洗脳が卓越した米CIAが動いたのかもしれない。中南米に対しては米国が資金援助しているが、援助資金は乏しく、産業も限られ、米国への不法移民たちからの送金で実態経済が成立している。

中国はすでに中南米に進出するなど、米国にとって脅威になっている。米国が中国に仕掛けた貿易戦争もそうした米国の安全保障上から執行している可能性もある。

大統領が2人になったベネズエラでは、最大の債権国が中国、左派政権誕生により、民間施設を強制して国有化した原油生産施設が老朽化、OPEC生産枠を250万バレル持ちながら、生産できず、その施設改修に中国が莫大な投資をし、それでも生産枠の半分しか産油できていない。原油安、生産減、生産原油での中国への支払い、貧困層へのバラ撒き政治を続け、スーパーハイパーインフレ、国家財政は遠の昔に破綻した状態。

国会は、保守の反体制派議員で占められ、法に基づき暫定大統領を選出、不正だろうと何だろうと国民から選出された左派の大統領とが対立、大混乱、カリブ海の対岸でもある米トランプ政権が軍事介入を検討しているという。
そうした左派政権の大統領と中国・ロシアとの関係、冷戦時代を髣髴させるものになっている。
ベネズエラにはロシアが軍艦を訪問させていたが、これも米国を刺激している。
この政治的大混乱と米軍介入の恐怖に左派の大統領は、ローマ法王に仲裁を申し出ている。
ただ、米トランプは、自らが現世では神より№1であり、中国・ロシア・ローマ法王など完全無視する人、米国に追随して欧州のNATO加盟国も暫定大統領の支持を表明しているが、イタリアやアイルランドは反対し、けっして一枚岩ではない。
 

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[ 2019年2月 5日 ]

 

 

 

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